卵子の老化の新常識

DHEAを増やそう!卵子の老化をSTOP ②

妊娠とDHEA

DHEAとは?

妊娠にはDHEAが大切

『DHEA』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

DHEAとは、デヒドロエピアンドロステロンの略で、副腎で作られるホルモンの1つです。

もしかしたら、フェイスクリームなどの化粧品に配合されていてご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

DHEAは、アメリカでは『若返りのホルモン』として知られてきましたが、最近は不妊にも効果が認められ、ますますその認知度が上がっているんですよ。

日本でも、新しい不妊対策として、不妊専門クリニックや病院などで徐々に取り入れられ、治療の一環として『DHEAのホルモン剤』を処方されるケースも増えてきているようです。

DHEAは体内で作られるホルモンで、6〜7歳からその生成が始まります。

DHEAの分泌量のピークは20代で、その後は年齢とともに減っていきます。

そして40歳になる頃には、分泌量は20代の約半分になってしまうと言われています。

DHEAは、妊活にどのような効果があるのでしょうか?
減ってしまったDHEAの分泌を増やす方法はあるのでしょうか?

食育栄養コンサルタントが詳しく解説していきます。

 

DHEAは、妊活にどんな効果があるの?

妊娠とDHEAの関係

DHEAは、女性ホルモン『エストロゲン』の原料になる

若返りホルモンDHEAは、妊活にどのような効果があるのでしょうか?

それは、

女性ホルモン・エストロゲンの生成をうながし、卵巣の働きをよくする

ということです。

エストロゲンは、妊娠するのに不可欠な女性ホルモンですよね。

エストロゲンがたっぷり分泌されると、卵巣の機能が活発になり、質の良い卵子がたくさんできます。

また、子宮内膜を厚くして着床しやすくするのにも、エストロゲンはとても大切です。

実はこのエストロゲンは、副腎で分泌される『DHEA』ホルモンを原料にして作られているのです。

DHEAがたっぷりあると、エストロゲンが豊富に分泌され、DHEAの量が減ると、エストロゲンの生成も減り、卵巣の機能が低下していってしまうのです。

 

DHEAが増えると妊娠率が上がる!

残念ながらDHEAは、年齢とともに分泌が減っていくことがわかっています。

40代になると、20代の頃の半分しかDHEAが分泌されないので、卵巣機能が落ちたり、着床率が低くなったりします。

しかし、最近の研究で、いったん老化によって低下してしまった卵巣機能も、DHEAの分泌を増やすことによって、再び活性化することができることがわかってきたのです。

実際に、DHEAの増加で、体外受精における採卵数・卵子のグレード・妊娠率がアップしたというデータがあります。

また同時に、DHEAは弱い男性ホルモンの作用も持っています。

一見、女性の妊活には関係がないように思えますが、女性が妊娠するには、微力の男性ホルモンが必要、ということがわかっています。

もちろんバランスが大切ですので、男性ホルモンが多くなりすぎると、妊娠の妨げになってしまいますが、ある程度の男性ホルモンはあった方がいい、ということですね。

 

DHEAは、若返り・長寿ホルモンとしても

DHEAの妊活以外の効果も、少し見てみましょう。

DHEAは、妊活への効果が注目される前から、健康に欠かせないホルモンとして知られてきました。

  • ダイエット効果がある(代謝が上がる)
  • 免疫力を高め、がんを予防する
  • 動脈硬化や糖尿病を予防する
  • 体力(筋力)がつく
  • うつや更年期障害を緩和する
  • 記憶力がよくなる
  • 肌の若さを保つ

まさに、健康と美容を保つ『若返りホルモン』ですよね。

また、DHEAの分泌が多い男性は長寿であることがわかっており、『長寿ホルモン』とも呼ばれています。

 

DHEAが不足するとどうなるの?

DHEAの不足と妊活

では、DHEAが少なくなると、どうなるのでしょうか?

DHEAは、『年齢』や『ストレス』などが原因で、どんどん減少していきます。

DHEAが不足すると、女性ホルモンの分泌が少なくなり、卵子の数も質も悪化していきます。

また、老化現象が、体のあちらこちらで起こります。

DHEAが不足すると…

  • 卵子の数が減り、質が悪くなる
  • 代謝が悪くなり、痩せにくくなる
  • 体力が落ちたなと感じる
  • 免疫力が落ちる
  • 物忘れが多くなる

DHEAは、卵子だけでなく、全身の老化を防ぐのに不可欠な成分なのです。

 

DHEAのサプリメントは危険!?

DHEAのサプリは危険

このように、妊活に効果があり、健康と美容にも欠かせないDHEA。

そんなに素晴らしいものなら、サプリメントで手っ取り早く摂取したい!と思いますよね。

しかし残念ながら日本では、副作用が多すぎるため、DHEAのサプリメントとしての販売は、薬機法で認められていません。

たまに通販サイトで見かけることがありますが、すべて海外のものを個人輸入する形になっています。

もちろん、個人輸入で手に入れようと思えばDHEAのサプリは手に入るのですが、正直おすすめはできません。

なぜなのか、その理由を見ていきましょう。

 

危険! DHEAサプリメントの副作用

DHEAというホルモン自体は、もともと体内で作られるものですので、安全なものです。

しかし、DHEAを『サプリメント』という形で強制的に摂取するには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。

DHEAのサプリメントは、スポーツ選手が摂取するとドーピング違反になるほど、作用が強いものなのです。

DHEAのサプリメントのパッケージの裏には、次の方々は摂取しないようにと、注意書きがしてあります。

DHEAサプリの服用が禁忌の方

  • 妊娠中・授乳中の方
    男性ホルモンの値が上がるため、赤ちゃんに悪影響が出る恐れがある
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されている方
    男性ホルモンの作用で、悪化させる可能性がある
  • 子宮内膜症・子宮筋腫の方
  • 乳がん・子宮がん・卵巣がんの方
    がんの進行を早めてしまう恐れがある
  • 心臓疾患のある方
  • 35歳以下の女性
    40歳以下の女性とかかれているサプリもある)

もし妊娠に気がつかずに飲み続けてしまったら…
自分で気がついていない、がん、子宮内膜症、筋腫、PCOSなどがあったら…

と思うと、やはり怖いですよね。

さらに、過剰摂取による副作用は次の通りです。

DHEAサプリの過剰摂取による副作用

  • 月経不順
  • 高血圧
  • にきび
  • 抜け毛
  • ヒゲが生える(女性)
  • 攻撃的になる

個人輸入の通販サイトを見てみると、卵子の質が良くなった、採卵数が増えた、などの口コミもたしかにあります。

しかし、この禁忌事項や副作用を見る限り、個人で判断して服用することは、とても危険と言わざるを得ません。

それでもどうしても、という方は、サプリメントとしては認められていませんが、薬としては日本でも処方されているので、不妊治療の病院などでお医者さんに相談してみてくださいね。

 

DHEAの分泌を増やす 3つの方法

妊活に効果があるけれど、サプリは副作用が多いDHEA、では、どのようにして取り入れればいいのでしょうか?

実は、DHEAはサプリメントや医師の処方がなくても、自力で増やす方法があるのです。

自力で増やした場合には、もちろん副作用は一切ありませんので安心ですよね。

その方法は、『食事』『運動』『睡眠』の3つです。

またか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)

妊活では、よくこの3つが努力事項として出てきますよね。

特に『運動』は、体を動かすことがあまり好きではない方にとっては苦痛かもしれません。

でも、どんな治療や薬も、運動にとって代わることはできないので、しかたがありません。

一生続けなければならないわけではないので、無事に赤ちゃんができるまでの間だけでも、ご自身のペースで、運動する習慣をぜひ取り入れてみてくださいね。

ではまず、DHEAを増やす食事方法から順番にみていきましょう。

 

DHEAを増やす方法① 食べ物

DHEAを増やす食べ物

唯一DHEAを含む食べ物「やまいも」

少し前まで、『DHEA』を直接含んでいる食べ物は見つかっていなかったので、副腎に栄養を与えて分泌をうながすしかない、と考えられていました。

しかし、唯一DHEAを直接含んでいる食べ物が発見されたのです。

それは、

 やまいも(特に自然薯《じねんじょ》)

です。

やまいも、特に自然薯には、DHEAが豊富に含まれていることが研究によって明らかになったのです。

日本でとても手に入りやすい食べ物に、DHEAがたっぷり含まれているなんて、嬉しいですよね!

 

DHEAの分泌を促す食材

直接DHEAを含んでいる食べ物はやまいもだけですが、その他にも、副腎に栄養を与えてDHEAホルモンの分泌を増やすことができる食べ物があります。

副腎が元気になる栄養素は、次の通りです。

DHEAの分泌を促す栄養素

大豆イソフラボン
ビタミンB12・ビタミンC・ビタミンE・パントテン酸
カルシウム・マグネシウム・亜鉛
マンガン・ヨウ素・銅・クロム・セレン

これらの栄養素は、次の食べ物に多く含まれています。

DHEAの分泌を促す食材

  • 納豆(大豆イソフラボン)
  • 緑黄色野菜(ビタミン・カルシウム)
  • 大豆製品(マンガン・銅・マグネシウム)
  • ナッツ類(ビタミンE・マグネシウム)
  • レバー(パントテン酸、ビタミンB12、亜鉛、ヨウ素)
  • 牡蠣(亜鉛・マグネシウム・ビタミンB12)

などです。

これらは、副腎に栄養を与えてDHEAの分泌を増やすと同時に、血糖値も上げにくい(GI値の低い)食べ物です。

食事の最初にまずこれらの食品を食べることで、血糖値が急激に上がるのを防ぎ、副腎への負担を減らすことができます。

身近な食べ物ばかりですので、積極的に取り入れて、DHEAの分泌量を増やしていきましょう!

 

DHEAを増やす方法② 有酸素運動

DHEAは有酸素運動で増える

ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動を30分続けることで、DHEAの分泌が盛んになると言われています。

さらに、『負荷』をかけた運動の仕方をすると、より多くのDHEAが分泌されることがわかっています。

でも、それがあまりにもストレスになって、活性酸素が増えてしまっては逆効果ですので、

「いつもより早めに歩く」
「坂道を歩く」

など、ほんの少しの負荷から始めてみてくださいね。

 

DHEAを増やす方法③ 十分な睡眠

DHEAの増やし方

質の良い睡眠を十分にとることも、DHEAホルモンの分泌に有効です。

しっかり睡眠をとると、DHEAホルモンだけでなく、成長ホルモンなど様々なホルモン分泌のバランスを整えることができます。

そうは言っても、忙しい方、働いている方などにとっては、睡眠時間を長くとることは難しいかもしれませんよね。

そんなときは、

  • 食事はできるだけ就寝の2~3時間前までに済ませる
  • 寝る直前にスマホやPCを見ない
  • 間接照明・アロマ・音楽などでリラックスする

など、少しでも『質の良い睡眠』をとれるように、努力してみましょう。

 

まとめ

DHEAを増やして妊活しよう

DHEAは、妊活中の女性にとって、卵子の質を上げるとても有効なホルモンです。

特に高齢出産をめざす方にとっては、減ってしまったDHEAを増やすことが大切になってきます。

DHEAは、残念ながらサプリメントはおすすめすることができないのですが、食べ物・運動・睡眠で分泌を増やすことができるので、ぜひ今日から妊活の一環に取り入れてみてくださいね!

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