葉酸の基礎知識

葉酸は妊娠中や産後にも大切!

妊娠・出産は、幸せなことであると同時に、女性の体にとっては一大仕事であり、様々な変化を伴います。

貧血やうつ症状、免疫の低下による感染症など、妊娠するまで無縁だった方も、そういった体や心の変化に驚くこともあるでしょう。

そして産後にも、母乳が思ったように出なかったり、子宮がいつまでも痛んだり、抜け毛が増えたり…と、また新たな悩みが出てきます。

そんな時に、妊活中や妊娠初期にお世話になった『葉酸』が、またママの心と体の健康を助けてくれますよ。

葉酸の主な働きは、

  • 血液を作る
  • 血中の悪玉物質を減らす
  • 脳神経に働きかける

この3つです。
そして、妊娠中や産後に葉酸が果たす役割は、次の通りです。

  • 妊娠中の貧血を予防する
  • 妊娠中や産後のうつを予防する
  • 妊娠中の感染症を予防する
  • 良質な母乳を作る
  • 産後の子宮の回復を助ける
  • 産後の抜け毛後の育毛をうながす

このように葉酸は、お腹の赤ちゃんの健康だけでなく、妊娠中や出産後のママの心と体を、さまざまな面からサポートしてくれるのです。

それでは、1つずつ詳しくみていきましょう。

 

葉酸とビタミンB12で 妊娠中の『貧血』を予防しよう

妊娠中は貧血になりやすい

妊娠中、お腹が大きくなってくると、普段よりもより多くの血液と栄養分が必要となっていきます。

血液と栄養分は、お腹の赤ちゃんと胎盤に優先的に回され、ママは貧血や栄養不足になりやすくなります。

特に注意が必要なのが、『巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)』と『悪性貧血』です。

こんな症状が出たら要注意!

症状は、『巨赤芽球性貧血』『悪性貧血』どちらの場合も、

動悸・息切れ・全身の疲労感・頭が重い

などの一般的な貧血の症状です。また、

舌炎・舌の表面がツルツルになる・味覚障害・食欲不振
下痢・悪心・白髪(若白髪を含む)が増える

などの症状も出ることがあります。
さらに悪化すると、

手足のしびれ・歩行障害・意識混濁・認知症

といった症状へ進むこともあります。

もし妊娠中に上記のような症状が出た場合には、すぐに病院を受診しましょう。
貧血による症状かどうかは、血液検査をすればすぐにわかりますよ。

 

妊娠中の貧血のしくみと治療法

では、妊娠中の貧血は、どのようにして起こるのでしょうか?

妊娠中の貧血の原因は、おもに『葉酸』と『ビタミンB12』の不足によるものです。

妊娠中は、子宮や胎盤が大きくなり赤ちゃんが育つにつれ、大量の血液を必要としていきます。

その大量の血液を作り出すには、普段より多くの『葉酸』と『ビタミンB12』が必要になります。

ですので、妊娠前と同じように食事をしていては、葉酸とビタミンB12が足りなくなってしまうのです。

血中の『葉酸』と『ビタミンB12』が不足すると、細胞の分裂や増殖がスムーズに行われなくなります。

そうすると、赤血球が作られる過程で壊れたり、巨大化して骨髄に溜まります(巨赤芽球)。

さらに、赤血球と同様に白血球や血小板も細胞分裂がうまくいかずに壊れやすくなり、血液の元になるすべての血球が少なくなっていきます。

その結果、必要な量の血液が作られなくなってしまうのです。
これを『巨赤芽球性貧血』といいます。

治療法はシンプルで、葉酸とビタミンB12の服用です。

病院に行くと、葉酸を400〜1000μg、ビタミンB12を1000〜2000μg ほど処方されますよ。

また稀に、『ビタミンB12』を胃で吸収できないために貧血になる方もいます。

慢性萎縮性胃炎のため、胃の中にビタミンB12を吸収する内因子がないのです。
それを『悪性貧血』といいます。

その場合は、葉酸を口から、ビタミンB12は点滴で投与します。

 

妊娠中の貧血を予防するにはどうしたらいいの?

妊娠中にこれらの貧血にならないようにするためには、『葉酸』と『ビタミンB12』の両方が不足しないようにすることが大切です。

『葉酸』と『ビタミンB12』は、造血のビタミンとも呼ばれ、赤血球を作り出すためにどちらも欠かせない栄養分です。

特に葉酸は、もともと赤ちゃんの神経系への効果が認められる前から、ママの『巨赤芽球性貧血・悪性貧血』を改善する効果で、厚生労働省から摂取が推奨されていたほどです。

では、それぞれの摂取の方法をみていきましょう。

 

貧血を予防する『葉酸』のとり方

葉酸は、緑黄色野菜・果物・レバーなど、身近な食品に含まれていて、手軽にとることができます。

しかし、食品中の天然の『ポリグルタミン酸型葉酸』は、日光・水・熱に弱く、調理で約半分が壊れてしまうのです。

さらに、体内に入ってからも吸収率が50%と低いので、摂取にはコツが必要です。

葉酸を食品から摂取したい場合には、こちらを参考にして、効率よく取り入れましょう。
参照 :葉酸の効率的な摂取方法

一方、葉酸サプリや一部のマルチビタミンサプリなどに含まれる『モノグルタミン酸型葉酸』は、体内吸収率が85%と高く、手軽に効率よく葉酸を摂取することができます。

妊娠3か月まではサプリメントで確実に吸収させ、妊娠4か月以降は体調やお好みに合わせて、食品とサプリメントを上手に併用していきましょう。

厚生労働省が推奨している葉酸の摂取量は、

妊娠初期
食事で240μg+サプリで400μg
妊娠中期/後期
食事で240μg+食事又はサプリで240μg
授乳期
食事で240μg+食事又はサプリで100μg

です。

 

貧血を予防する『ビタミンB12』のとり方

ビタミンB12は食べ物から吸収しやすいので、食事の偏りを改善することで比較的簡単に摂取量を増やせます。

主に下記のような動物性食品に多く含まれています。

  • あさり・しじみ・牡蠣などの二枚貝・魚
  • 肉・牛レバー
  • 牛乳・乳製品

動物性の食品があまり好きでない、または量をたくさん食べられないという方は、サプリメントで手軽にとるのもいいですよ。

ビタミンB12は、マルチビタミン』や『妊婦用サプリ』などに配合されていることが多いですが、含有量が少ないサプリもあるので、必ず量をチェックするようにしましょう。

また最近では、ビタミンB12を添加しているシリアルなども販売されていますよ。

厚生労働省が推奨しているビタミンB12の摂取量は、

妊娠中 2.8μg
授乳中 3.2μg
です。

メモ

なお、一般的に知られている鉄分不足による貧血は、『鉄欠乏性貧血』と呼ばれ、『巨赤芽球性貧血』や『悪性貧血』とは異なります。
妊娠中に多いのは『巨赤芽球性貧血』と『悪性貧血』なのですが、貧血全般を防ぐためには、葉酸・ビタミンB12に加え、鉄分もとるようにしたいですね。

妊娠中は、良質な血液をたくさん蓄えよう!

このように、妊娠中の貧血を防ぐには、必要な栄養素を十分にとり、体内の血液量を意識的に増やしていくことが大切です。

また、もし貧血の症状がなくても、帝王切開時の出血や、前置胎盤出産時の大量出血に備えた自己血確保などを見越して、さらに出産したその日から始まる授乳に備えて、良質な血液を体内にたっぷり蓄えておくように心がけましょう。

 

 

葉酸で『うつ』を予防しよう

妊活中から産後まで、誰にでもある『うつ』の危険

『うつ』と聞くと、「自分には無縁だから大丈夫!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。

うつの原因はまだ完全には解明されていないのですが、環境の変化や人間関係のストレス、不規則な生活、ホルモンバランスの変化などで、自律神経の乱れが生じ、うつにつながっていくと考えられています。

妊活中から出産後にかけては、まさにうつになってしまう要因がいくつもあり、普段元気な方でも、誰でもうつになってしまう可能性があるのです。

うつになる要因

  • 妊活中は、この先自分が本当に妊娠できるのかという不安。
  • 妊娠中は、無事に出産できるのかという不安や、産後の仕事・生活に関する不安(マタニティブルー)。
  • 出産後は、自分が子育てをしていけるのかという不安や、授乳や夜泣きのための寝不足による精神的な不安定(産後うつ)。
  • ホルモンバランスの変化。

周囲から見れば、妊娠出産の時期はとても幸せそうに見えますが、女性は常に精神的なストレスや不安を抱えています。

そして、そのことに自分で気がついていないケースもあるのです。

特に、出産後からおよそ半年間は、ホルモンバランスの急激な変化、不規則な生活などで、10人に1人のママが産後うつを経験すると言われています。

重症化するケースも多く、『産後クライシス』と言われて大きな社会問題にもなっています。

 

こんな症状がうつの危険信号

うつの症状は、まずは一般的に言われる『気分の落ち込み』です。

それに加え、

めまい・耳鳴り・動悸・息切れ・呼吸がしにくくなる・全身の倦怠感・胃の不調(食欲不振・胃痛・吐き気など)・手足のほてりや冷え・異常な発汗・意欲の消失・過度の罪悪感・イライラ

など、心身全体に多岐にわたります。

それらは、徐々に起こることもあれば、急激に起こることもあります。

うつには、いくつかの特徴的な前兆があります。

うつの前兆

  • 今まで楽しかったことが、楽しく思えなくなる。(趣味や、好きなTV番組など)
  • 何があっても喜びを感じない。お腹の子や産まれた子を可愛いと思えない。
  • 自分は上手くできていないと自己嫌悪になったり、罪悪感を感じたりする。
  • 疲れているのに眠れない。

もし一つでも当てはまることがあったら、うつの予兆の可能性があるので、注意が必要ですよ。

 

うつの予防・治療は?

うつは、人によって異なるさまざまな原因が重なって起こるものなので、100%予防することはできません。

ただし、生活習慣を変えたり、食事の工夫をしたり、周囲の協力を得たりすることで、ある程度予防したり症状を改善させることができますよ。

効果的な対処法は、次の通りです。

 

朝日を浴びる

うつ症状のある人は健康な人に比べて、脳内の神経伝達物質の一つである『セロトニン』の量が少ないというデータがあります。
セロトニンは、朝日を浴び、バランスのとれた食事をし、夜しっかりと睡眠をとることで、増加させることができます。
といっても、特に産後のママには難しいことばかりですよね。
でも、どんなに寝不足でも、まずは朝になったらカーテンを開けて朝日を浴びる、それだけでも心がけてみましょう。

食事を工夫する

うつを軽減する『セロトニン』の材料となるのは、トリプトファンというアミノ酸です。
トリプトファンは、肉・魚・豆腐・納豆・乳製品などの高タンパク食品、ナッツ類、バナナなどに多く含まれるので、意識してとるようにしましょう。
また、あとで述べる葉酸もまた、セロトニンを増やす成分の一つですので、欠かさないようにしましょう。

 笑う!

『笑い』には、ものすごい力があることがわかっています。
免疫を高めて病気を遠ざけたり、血行を促進したり、自律神経を整えたりします。
また、脳内でセロトニンを分泌してうつの症状を和らげたり、エンドルフィンの分泌でモルヒネの数倍の鎮痛効果を発揮したりもします。

そうは言っても、妊活中、妊娠中、産後の忙しい時期に、なかなか笑う気持ちにはなれないかもしれませんよね。
そんな時には、『作り笑い』でも効果があると言われていますよ。
無理矢理にでも口角を上げて『笑う』表情をしているだけで、脳が勘違いをし、セロトニンを分泌して精神を安定させていくそうですので、ぜひ試してみて下さいね。

 産後の1ヶ月間はなるべく動かない

昔から言われる出産1ヶ月後の『床上げ』には、大切な意味があります。
10ヶ月にわたる妊娠と出産という大仕事を終えたばかりのママの体は、元に戻るまでしっかりと休養させなければなりません。
昔は家族の人数が多かったので、家事は家族に任せて、ママは授乳やオムツ替えなどの赤ちゃんのお世話に専念し、1ヶ月間はお布団を敷きっ放しの生活をしていたそうです。
1ヶ月間しっかり休むことで、ホルモンバランスが整い、子宮や骨盤が元に戻り、心身ともに安定していくのです。
ここで無理をしてしまうと、骨盤が開いたままになって子宮や他の内蔵の位置がずれたり、悪露が出切らなかったりして体の不調が長引き、ホルモンバランスも崩れて精神的にも不安定になっていってしまいます。

また、この時期にしっかりと休養して体を元に戻しておかないと、後々の更年期障害が重くなるとも言われています。

祖父母が遠方だったりパパが忙しかったりする場合には難しいかもしれませんが、できるだけ周囲の理解と協力を得て、産後1ヶ月は休養できるように努めましょう。

改善しない時は、すぐに受診を

これらを試してみても症状が改善しない時には、迷わず病院で受診することをおすすめします。
妊活中・妊娠中・授乳中は、抗うつ剤を飲むことに抵抗がある方も多いと思いますが、お医者さんに相談すれば、赤ちゃんに影響の無い薬を処方してもらえます。
それでも心配な場合には、『妊娠と薬に関する専門外来』を設けている病院もありますので、そちらを受診してみるとよいでしょう。

 

葉酸にうつの予防効果がある!

近年、嬉しいことに葉酸にうつを予防する働きがあることがわかってきました。

2007年に東京大学医学部と国立精神神経医療研究センターが行った研究によると、うつ病の患者さんの 4人に 1人が、血液中の葉酸値が低いというデータが出たそうです。

健康な方の場合の葉酸不足は 10人に 1人ですので、うつと葉酸の関係は無視できないと言えます。

もちろん葉酸ですべてのうつが治癒するわけではありませんが、現に心療内科などで、抗うつ剤の処方とともに葉酸の摂取をすすめるケースが増えていて、それにより改善がみられるケースが多いそうですよ。

葉酸には、脳内の神経系に作用して自律神経を整えることにより、精神を安定させたり、気持ちをリラックスさせる効果があります。

葉酸によって脳内に『セロトニン』などの神経伝達物質が多く作られるようになり、精神が安定していくのです。

また、アミノ酸の一種であるホモシステインの血中濃度が高いと、脳に悪影響を及ぼし、うつや認知症の発症リスクが増すことがわかっています。

葉酸をビタミンB6や B12と一緒に摂取すると、ホモシステインの代謝をうながして、うつや認知症を予防したり治療したりする効果があります。
(葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12のいずれが不足しても、精神疾患を発症する可能性が増えることがわかっています。)

妊活中・妊娠中・産後のうつの予防のためには、葉酸とビタミンBの摂取は欠かせません。

無事に妊娠したあとも、葉酸とビタミンBの摂取をやめないようにしましょう。

 

うつを見過ごさないで

うつは、大したことが無いと思って軽く考えてしまったり、周囲に知られたくなくて元気を装ってしまいがちです。

しかし、見過ごして悪化してしまうと、取り返しのつかない大変なことにもなりかねない、立派な『病気』なのです。

まずは、小さなサインを見過ごさないようにしましょう。

できれば自分だけでなく、周りのご家族の方などにも、うつの兆候や症状を知ってもらって、気がついたら手助けしてもらえるような環境が作れると良いですね。

そして、もしうつにかかったら、焦らず長い目で治療していきましょう。
症状が良くなるのに、半年から一年、それ以上かかることもあります。
女性の妊娠・出産・子育てというのは、それだけ大変なことだということです。

「どうして自分だけなってしまったの?早く治して皆と同じように頑張らなくては」
と、焦ったり自己嫌悪に陥ったりせずに、
「こんなに凄いことをしているのだから、病気の1つや2つ当たり前なんだ」
と、気長にゆっくり構えていくようにしましょう。

 

 

葉酸で妊娠中の『感染症』を予防しよう

妊娠中は感染症にかかりやすい

妊娠すると、普段は風邪やインフルエンザにかかりにくい人が、急に感染してしまうことがあります。
また、同じ病気でも、それまで経験したことのない症状が出たり、ときには重症化してしまうこともあります。

それには、ホルモンバランスの乱れや、ストレスなど、さまざまな原因が考えられますが、中でも『細胞性免疫の低下』が大きく関係していることがわかっています。

どうして妊娠すると免疫力が下がるの?

お腹の中の赤ちゃんは、体の細胞や血液は100%母親のものからできていますが、染色体や遺伝子の50%は父親のものです。

ですので、母親の免疫が強いままだと、赤ちゃんを『異物』として認識し、攻撃して排除しようとしてしまい、流産や早産の危険が高くなってしまうのです。

そのために、妊娠をすると、自分の免疫、特に異物を攻撃する『細胞性免疫』を弱めて、赤ちゃんを守るシステムになっているのです。
人間の体ってすごいですよね!

ただ、『細胞性免疫』は普段、外部から侵入してきた病原体やウィルス、体内のガン細胞を排除してくれる役割があり、またそれらに感染した場合でも、早く治るように働いてくれています。

妊娠して細胞性免疫の働きが弱まると、当然風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまうわけです。
またいったんかかった感染症が治りにくく、ときには重症化してしまうこともあります。

そのため妊婦は、感染症にかかりやすい『ハイリスクグループ』に定められています。
そして、感染症の中には、胎児に影響が出たり、流産につながるような重篤なものもありますので、注意が必要です。

 

感染症にかからないためには?

まずは、一般的な感染症予防の対策を、念入りに行いましょう。

  • 手洗い・うがい・外出時のマスク着用
  • 栄養・睡眠・体を温める・便秘の予防

などです。

「便秘は関係がないのでは?」と思われるかもしれませんが、体の免疫の多くは『腸』が司っていると言われ、腸の働きが悪くなると免疫が落ちてしまうのです。
特に妊娠中は便秘になりやすいので、注意が必要です。

 

妊娠中は葉酸で免疫力をUPしよう!

葉酸は、妊娠中に落ちてしまった免疫力を上げる働きがあります。

そのメカニズムは2通りあります。

粘膜や免疫細胞が強くなる

葉酸には、ビタミンB6やパントテン酸とともに、『たんぱく質』の生成を助ける働きがあります。
たんぱく質は『粘膜』や『免疫細胞』を作り出します。
粘膜や免疫細胞は、病気やウィルスから体を守ってくれる、とても大切な働きをします。

体温が上がる

妊娠中は免疫力が下がるのですが、妊娠初期の2~3ヵ月だけは、逆に感染症にかかりにくいと言われています。
それはなぜかというと、『妊娠初期は基礎体温が高い』ためです。
一番免疫が働きやすい体温は、36.5~37.0度で、まさに妊娠初期の体温なのです。

妊娠中期以降は、徐々にもとの体温まで下がっていきます。
体温が下がると、リンパ球が少なくなって血がドロドロになり、免疫が下がっていきます。
体温が 1度下がると、免疫力は 40%落ちると言われています。
特に平熱が 35度台の方は、急激な免疫力の低下に注意が必要です。

葉酸は、ビタミンB12とともに、赤血球を作り出す『造血のビタミン』と呼ばれ、血液量を増やします。
また、血中の悪玉物質である『ホモシステイン』を代謝するため、血液サラサラ効果があります。

血流が良くなることで、体温が上がっていき、免疫もアップしていくのです。

 

葉酸で感染症にかかりやすくなる!?

1つ気になる記事があります。
2016年1月にアメリカのタフツ大学が、「葉酸を大量に摂取すると、NK(ナチュラルキラー)細胞の働きが弱まり、ウィルス感染が起こりやすくなる」という研究結果を発表しました。

しかしこの研究では、葉酸サプリを1日5000μgも飲み続けています。
日本で妊活中や妊娠中に摂取が推奨されている 400μgの、実に12.5倍もの量です。

葉酸に限らず、他のビタミンやミネラルでも、それだけ過剰摂取すれば健康に害が出ますよね。
ですので、この研究結果を見て、葉酸をとると感染症にかかりやすくなる、と心配する必要はありません。

そもそも、厚生労働省が定める上限の 1000μg以上の葉酸の摂取は、ママにも赤ちゃんにもよくない影響があると言われています。

5000μg摂取することは現実的にはないと思いますが、何事も過ぎたるは猶及ばざるがごとし、念のためにとり過ぎには注意しましょう。

 

免疫力をUPして感染症を防ごう!

妊娠中は、お腹の赤ちゃんのために、口にするものに気を遣ったり、生活習慣を見直したりなど、ママはいろいろ努力をしていると思います。
その中で、赤ちゃんに影響を与えかねない感染症にかかってしまったら、悔やんでも悔やみきれないですよね。

少しでも感染症のリスクを減らすために、日頃の心がけと葉酸で免疫力をアップしていきましょう。

 

 

葉酸で質の良い母乳を作ろう

母乳はなぜ白いの?

母乳は、ママの血液から作られます。

『赤い血液』から『白い母乳』が作られるイメージが湧かないかもしれません。
血液が赤い色をしているのは、赤血球の中に含まれる『ヘモグロビン』が赤い色をしているためです。

乳房の中の毛細血管に取り込まれた血液から母乳が作られるのですが、その際、赤血球はろ過されるので、母乳は赤くならないのです。

残った成分の主なものは、『たんぱく質と脂肪』。
これらは光を乱反射するので、母乳は白く見えるのです。

 

葉酸で、母乳に血液と栄養分をたっぷり届けよう

良質な母乳をたくさん生成するためには、葉酸が必要不可欠です。

葉酸の働き

血液量を増やす
ビタミンB12とともに血液を作り、血液量を増やす

 血液サラサラ効果
血流が悪くなる原因のホモシステインの代謝をうながす

細胞分裂を促進する
母乳の栄養となる成分の細胞分裂をスムーズにする

このようにして、葉酸は乳房内に『良質な血液と栄養分』を送り届けます。

ママの血中の葉酸濃度が低くなると、母乳の出が悪くなったり、母乳の質が悪くなることがわかっています。
それは赤ちゃんにもダイレクトに影響を及ぼし、赤ちゃんの体が小さくなったり、知力や視力にも悪影響が出ると考えられています。

また、血液がドロドロになって母乳が詰まると、乳腺炎になる可能性もあり、痛みや高熱でママは大変つらい思いをします。

特に、「なるべくミルクに頼らず母乳育児をしたい!」と思っているママは、出産後も葉酸を欠かさないようにしましょうね。

 

 

葉酸で産後の子宮を回復させよう

妊娠で子宮の容積は100倍に!

10ヵ月の妊娠期間で、ママの子宮は大きく変化します。
容積はなんと100倍以上に、重さは 50gから 1,000gへ、およそ20倍にもなるのです。

そして出産という大仕事を終えると、赤ちゃんと大量の胎盤を支えていた子宮は、6~8週間かけて徐々に元の大きさに回復していきます。

ここでしっかり子宮を回復させておかないと、傷ついた子宮や膣から感染症にかかったり、いつまでも不正出血が続いてしまうこともあります。

ひどい場合には、何年も体の不調が続いたり、次の妊娠に支障が出てしまうこともあります。

また、特に高齢出産の場合には、子宮がうまく収縮できずに、回復がさらに遅くなる傾向があります。
これは、細胞の老化や、体力不足が原因です。

 

葉酸が細胞分裂を促し、子宮を回復させる

子宮は、細胞分裂を繰り返して回復していきます。

葉酸は、ダメージを受けた細胞を新しい細胞に生まれ変わらせる『細胞分裂』をスムーズにしたり、『細胞の熟成』を助ける働きがあります。

赤ちゃんの細胞分裂や正常なDNAの合成に役立った葉酸が、産後のママの子宮の細胞分裂にも一役買うのです。

また葉酸は、ビタミンB12とともに血液を作り出し、血中のホモシステインの代謝も促すことから、子宮内やその周辺の血流を良くし、さらに回復の手助けをしますよ。

妊娠中から継続して葉酸をとり、体力をつけて、産後の子宮の回復に備えましょう。

 

 

産後の抜け毛にも葉酸

妊娠中は髪の毛が抜けない

妊娠中は、抜け毛がほとんど起こりません。
ブラシでとかしてもお風呂でシャンプーしても、髪が抜けないので、びっくりするかもしれませんね。

これは、体が妊娠を継続するために、女性ホルモンである『エストロゲン』や『プロゲステロン』をたくさん分泌しているためです。

これらの女性ホルモンには、髪の毛の成長・弾力・ツヤを促進する働きがあるので、妊娠中は髪が抜けないのです。

 

産後の抜け毛にびっくり!

しかし、出産を終えると、抜け毛を防いでくれていた女性ホルモンの分泌は急激に減ります。
そのため、妊娠前のようにまた抜け毛が起こるのです。

「でも、妊娠前よりも明らかに抜け毛が増えて、どんどん薄くなっていくのだけれど!?」

と感じる方が多いと思います。

そもそも髪の毛は、3~7年のサイクルで生え変わりを繰り返しています。

妊娠中に、生え変わりの時期にも関わらず女性ホルモンのおかげで抜けずにとどまっていた髪の毛が、産後一気に抜けるため、一時的に全体が薄くなってしまうのです。

あまりの抜け毛の多さに不安になるかもしれませんが、一時的なものなので、心配はいりませんよ。

髪が抜けた毛根には、また新しい髪が準備されていきます。
個人差はありますが、通常は産後3カ月から1年で、新しい髪が生えてくることが多いようです。

 

健康的な髪が生えてくるために

それでも、ただでさえ産後の不規則な生活や、子育てで慌ただしく自分の見た目に気を使う余裕がない中、髪まで抜けてしまうと、女性としての自分に自信が持てなくなってしまったり、もう生えてこないのではないかと不安になってしまいますよね。

少しでも早く、また健康的でツヤのある髪が生えてくるように、次のことを心がけましょう。

  • できるだけストレスを溜めない。育児中でも発散できる自分なりの方法を見つけておく。
  • 適度な運動(ストレッチなど)をして、全身の血行を良くする。
  • ゆっくりと深呼吸をして、自律神経を整え、新鮮な酸素を血液に取り込む。
  • 栄養バランスのとれた食事をする。
  • 規則正しい生活をし、質の良い睡眠をとる。(これは産後のママには難しいですが)

上記の中で、栄養バランスのとれた食事を少し詳しく見ていきましょう。

出産後のママは、母乳や子宮のダメージ回復に栄養分や血液が優先的にまわされるため、髪の源となる栄養は不足しがちです。
髪の回復のためには、次の栄養分を普段よりたくさんとるように心がけましょう。

たんぱく質(肉・魚・卵・大豆)
髪の毛の99%は、たんぱく質でできています。
たんぱく質が不足すると、髪の毛はなかなか育成されなくなるので、意識して多めにとるようにしましょう。
鶏卵は、肉や魚に比べて、熱を加えてもたんぱく質が減りにくいのでおすすめです。

ビタミンB2(レバー・豚肉・青魚・海苔)
エネルギーの代謝や、健康な皮膚・粘膜・毛髪の成長を促します。
また、有害な過酸化脂質を分解してくれます。
熱に強いので、どんな料理にも取り入れることができます。

葉酸(ほうれん草・ブロッコリー・果物・豆類・レバー)
髪の毛の99%を構成するたんぱく質の合成をうながします。
また、体中の細胞分裂や造血に大きな役割を果たしているため、髪の毛の生成や頭皮の血行促進、栄養成分の運搬にかかせない成分です。
食事から取り入れるのが理想ですが、水や熱に弱く、調理方法によっては25~50%が失われ、また体内吸収率も50%と低いので、注意が必要です。
効率的にサプリメントで補給するのも一つの手です。

大豆イソフラボン(納豆・豆腐・豆乳・油揚げ)
産後の女性ホルモンの急な減少を補うために、女性ホルモン『エストロゲン』と似た働きをする大豆イソフラボンを摂取するのも効果的です。
髪のツヤやハリを保ち、肌の新陳代謝を促します。
ただし、大豆イソフラボンの過剰摂取が、乳がんのリスクを高めるというデータがありますので、取り過ぎには注意しましょう。
1日に納豆なら1パック、お豆腐なら1/2丁までが目安です。
特に、サプリメントで取る場合には過剰摂取に気をつけましょう。

ミネラル(牡蠣・レバー・ゴマ・昆布など)
ミネラルには、栄養分を体中の細胞に吸収させたり、酵素を活性化させる働きがあります。
ミネラルが不足すると、せっかく食事やサプリメントで取り入れた栄養成分を吸収することができません。
髪に有効なミネラルは、『亜鉛・鉄分・ヨウ素』などです。
『亜鉛』は、葉酸と同様に、髪の99%を構成するたんぱく質の合成に欠かせない成分で、牡蠣・レバー・牛豚肉・ゴマなどに多く含まれます。
『鉄分』は、育毛に必要な酸素や栄養素を運ぶヘモグロビンを生成します。
特に産後は、授乳や生理の再開により、鉄分不足から貧血になりやすい時期で、頭皮も栄養不足になりがちです。
鉄分は、ほうれん草・レバー・ゴマなどに多く含まれていて、吸収されにくいのですが難点ですが、ビタミンCを一緒に取ると吸収率がアップします。
逆に、コーヒーやお茶は鉄分の吸収を阻害してしまうので、一緒に取らないようにしましょう。
『ヨウ素』は、栄養素の代謝を助ける甲状腺ホルモンの生成に必要です。
昔から髪に良いと言われる昆布・ワカメなどに含まれています。
ただし、過剰摂取をすると甲状腺機能低下症などの恐れがあるので、特にヨウ素が多く含まれる昆布の食べすぎには注意しましょう。

 

産後は、赤ちゃんのことで手いっぱいで、なかなか自分の髪のケアにまで手が回らないですよね。

でも、栄養を取り、ホルモンバランスを整えることは、抜け毛への対策だけではなく、ママの心身を健康に保って、日々の子育てをスムーズにしていくためにもとても大切なことです。

ご家族の助けを借りる、簡単で調理できる食材宅配サービスを利用する、サプリメントをうまく活用するなどして、無理なくママと赤ちゃんの健康づくりをしていきましょう。

 

 

[第1位] makana マカナ

総合評価 A+
強力な妊活成分と、完璧なビタミンミネラルを求める方に

『スイス産の良質なモノグルタミン酸型葉酸』をはじめ、妊娠に必要なビタミン・ミネラル類を、管理栄養士が計算し尽くして完璧に配合。

今注目の妊活ビタミン『ナイアシン』と『ビタミンD』も高配合されています。

加えて、強力な妊活成分『マカ』『還元型コエンザイムQ10』『α−リポ酸』が授かりにくい女性をサポート。

全成分が『日本もしくは欧米産』で、放射能・残留農薬・重金属検査もクリア。

定期コースの回数条件もない、極めて良質な葉酸サプリです。

妊活が長くなっている方、高齢出産を目指す方に特におすすめします。

初回¥3,980/2回目以降¥5,980

 

[第2位] メルミー葉酸サプリ

総合評価 A+
妊活成分は必要なく、完璧な基礎栄養素を求める方に

こちらも、1位のマカナと同じく、『スイス産の良質なモノグルタミン酸型葉酸』と妊娠に必要な 12種のビタミン・ミネラルを完璧に配合。

鉄分も『ヘム鉄』ブレンドで、しっかり妊娠後期までまかなえる量を配合。

必須栄養素の配合で言えば、30種の葉酸サプリを調査した中で、このメルミーが断トツ 1位です。

ママと赤ちゃんの健康をサポートする『DHA・EPA』『β−グルカン』『EC-12乳酸菌』を配合。

目立った妊活成分は入っていませんが、その分、妊娠後期や授乳期まで安心して飲み続けることができます。

原材料の産地のほとんどが『日本・欧米』、放射線・残留農薬検査クリア。

定期コースの回数条件もないので安心です。

本来の自分の体の妊娠力を取り戻したい、お腹の赤ちゃんを健康に育んでいきたい、という方に自信を持っておすすめできる葉酸サプリです。

初回¥2,980/2回目以降¥3,980

 

[第3位] プレミン葉酸サプリ

プレミン

総合評価 A
シンプルで安全性の高いサプリを求める方に

『スイス産の良質なモノグルタミン酸型葉酸』と、妊娠に必要な 12種のビタミン・ミネラルのうち、11種を配合。

製薬会社の作るサプリらしく、成分は『葉酸・ビタミン・ミネラル』のみのシンプルな葉酸サプリです。

原材料の産地のほとんどが『日本・欧米・豪』で、放射線・残留農薬検査・アレルギー検査をクリア。

添加物も厳選し、安全性にとことんこだわっています

定期コースの回数条件がなく、合わなければ開封後でも返品可能です。

妊活成分に頼らず、基礎的な妊娠力を身につけたい、何よりも安心安全を優先したい、そんな方におすすめする葉酸サプリです。

初回〜2回目以降もずっと¥3,866

 

-葉酸の基礎知識

error: Content is protected !!

Copyright© Babywill ベビウィル , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.