出生前診断

【胎児ドック】胎児スクリーニング検査とは?受けるべき?

胎児超音波スクリーニング

妊娠中の出生前診断には、いくつかの種類がありますよね。

その中で、おそらく一番多くの方が受けるのが、『胎児ドック(胎児超音波スクリーニング検査)』でしょう。

胎児ドックとはどういったものなのでしょうか?
通常の妊婦健診のエコー検査とはどう違うのでしょうか?
ダウン症などの染色体異常を見つけることができるのでしょうか?
精度、痛み、費用、超音波の赤ちゃんへの影響などは?

一つずつみていきましょう。

 

胎児ドック(胎児超音波スクリーニング検査)とは?

胎児スクリーニング

妊娠期間中は、月に1~2回、『妊婦健診』を受けます。

その際、エコーで5~10分ほど診察を行い、赤ちゃんの心拍、胎動、推定体重、羊水の量、胎盤の位置などを確認します。

毎回、赤ちゃんが動いているところや成長している様子を見るのが楽しみという方も多いですよね。

その通常の妊婦健診でのエコー検査とは別に、より詳しく赤ちゃんの状態を調べる『胎児ドック(胎児スクリーニング検査)』というものがあります。

病院によっては、

『超音波精密検査』『胎児精密エコー検査』『胎児形態スクリーニング』

などとも呼ばれます。

検査の回数は、病院によって異なりますが、妊娠初期・中期・後期の3回が基本です。

おもに、

  • 赤ちゃんに染色体異常の可能性があるか
  • 先天性心疾患や形態異常があるか

などを、お腹の上からの超音波検査で、30分~1時間ほどかけて、じっくりみていきます。

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、確定診断ではなく、何らかの『異常の可能性』を見つけるための非確定診断です。

その精度は、たとえばダウン症の場合、80~85%ほどしか見つけることはできませんので、それほど高くないと言えます。

しかし、赤ちゃんの『形態異常』については、羊水検査や血液検査など他の出生前診断では検知できず、逆に超音波でしか見つけられません。

ですので、他の出生前診断を受ける予定のある方も、この超音波スクリーニング検査もあわせて受けるケースが多いようです。

 

 

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)を受ける条件は?
どこで受けられるの?

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)には、年齢などの受診の条件などは特にありません。

病院によっては、出産までのスケジュールに自動的に組まれている場合もありますし、希望する妊婦さんだけ受けるシステムになっているところもあります。

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、通常の妊婦健診でのエコー検査とは違い、専用の機械と、専門の訓練を受けた医師を必要とします。

そのため、病院によっては検査できないところもあり、その場合には設備のある病院を紹介してもらったり、自分で予約をしたりする必要があります。

 

 

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)でわかること・結果の精度

超音波スクリーニングの精度

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、妊娠初期・中期・後期の3回が一般的です。

病院によっては初期と中期だけだったり、中期と後期だけの場合もあります。

初期・中期・後期それぞれ、検査で見るポイントや、わかることが異なります。

 

【初期】胎児スクリーニング検査

  • 実施時期  妊娠11~13週
  • 検査内容
    ① 染色体異常の可能性の確認
    NT(首の後ろのむくみの厚さ)/鼻骨/三尖弁(心臓の血流)/静脈管(へその緒から心臓までの血流)/心拍数
    以上5項目をチェックし、21(ダウン症)・18・13トリソミーの、3種類の染色体異常の確率を計算する。
    検査の精度は、ダウン症に対して80~85%
    → 疑いがあれば、羊水検査、絨毛検査などの確定検査を勧める。
    ② 大きな形態異常の確認

【中期】胎児スクリーニング検査

  • 実施時期 妊娠18~21週
  • 検査内容
    主に形態異常の確認
    (骨格、臓器、脳、血流、羊水、胎盤など、全身を念入りにチェック)
    初期よりも情報量が多く、より形態異常を判定しやすい。
    心疾患、脊椎の異常、口唇口蓋裂、多指症などを発見できることがある。
    →もし病気が見つかれば、出産を帝王切開に切り替えたり、出産後の治療体制を整えたり対策をする。
    羊水の量や、血流についても詳細に確認。
    ※ 性別も100%ではないがわかる場合が多い。

【後期】胎児スクリーニング検査

  • 実施時期 妊娠28~32週
  • 検査内容
    中期検査とほぼ同様
    お腹の外で生きていく準備、特に肺呼吸の準備ができているかをチェック。
    骨格、臓器の状態などは、中期検査よりも正確にわかる。

 

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)ではわからないことは?

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)で見つけられるのは、あくまで『形態』の異常です。

臓器の形の異常はわかっても、働きの異常までは見つけられません

また、たとえ形態異常でも、ごく小さい異常だったり、皮膚などの平面的な部分の異常は、人の目で判断するのは限界があり、見逃すこともあります。

染色体の異常も、外見に異常が現れていれば、胎児ドックである程度の確率はわかりますが、最終的には羊水検査や絨毛検査をして、顕微鏡でDNAの配列を見なければ、確定することはできません

関連羊水検査でわかることは? 時期・費用・痛み・流産のリスクなど

 

 

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)の痛みは?

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、通常の妊婦健診でのエコー検査と同じように、お腹の上から超音波の器具を当てて検査するため、痛みはまったくありません

ただし、後期の検査では、おなかがかなり大きくなっているため、30分~1時間あおむけになっていると、お腹が張ったり苦しくなったりすることはあります。

もしつらくなってきたら、医師や看護士に伝えましょう。

 

胎児ドックの費用は? 妊婦健診補助券は使える?

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、健康保険が適用されない検査のため、全額自己負担となります。

病院によりますが、初期・中期・後期、それぞれ2~4万円程度のところが多いようです。

妊婦健診補助券が使えるかどうかは、自治体や病院によって異なりますが、通常の妊婦健診時の超音波検査には使えても、胎児ドック(胎児スクリーニング検査)には使用できないところが多いようです。

予約時に確認をしましょう。

 

超音波の赤ちゃんへの影響は?

胎児ドックスクリーニングのリスク

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は、お腹の上からエコーで見るだけですので、破水や流産などのリスクはもちろんありません。

しかし、この胎児ドックに限らず、普段の妊婦健診でのエコー検査もあわせて、

「何度も超音波をあてて、赤ちゃんに何か悪い影響はないのかな?」

と心配になってしまいますよね。

結論から言いますと、超音波の人体への影響については、まだはっきりとはわかっていないようです。

マウスなどの動物での実験では、

「わずかながら脳の神経細胞に悪影響を及ぼすことがある」

という結果が出ているようですが、それがすぐにヒトにもあてはまる、というわけではありません。

ヒトと動物とでは発育の速さが違いますし、実験のように、同じ個所、特に『赤ちゃんの脳』に長時間超音波を当て続けるということは、ヒトの妊娠期の超音波検査では考えにくいからです。

厚生労働省や日本産科婦人科学会も、

どのような影響を及ぼしているかは、今後の研究を待たなければならないが、現段階では、超音波による弊害よりも、胎児の状況を知ることができる受益の方が大きい

として、特に超音波検査の回数や時間に制限は設けていません。

ただし、エンターテイメント性の強い超音波の使用(妊婦健診や胎児ドック以外に、個人で何度も4Dの検査を受けたり、自宅用の超音波機器を購入して頻繁に使用するなど)は、できるだけ控えるように呼びかけています。

つまり、

超音波による赤ちゃんへの悪影響がないとは言えないけれど、適正な範囲であれば受けるメリットの方が大きい』

ということですね。

ちなみに日本では、妊娠初期から出産まで、人によりますが、合計15~30回ほどの超音波検査を受けます。

それに比べて、アメリカやイギリスでは、超音波検査の回数は平均で1~3回にとどまり、しかも驚くことに、約3割の妊婦さんは出産まで一度も受けないそうですよ。

どちらがよいと断言はできませんが、日本の周産期死亡率が世界一低いのは、この頻繁な超音波検査のおかげなのかもしれませんね。

 

 

出生前診断の超音波の技術は、日々進化している

超音波の技術は日々進化していて、超音波検査でわかることが増えてきています。

さらに、これまでは超音波画像から病気を見つけられるかどうかは医師や技師の技量だけにかかっていたのですが、AI(人工知能)を導入することによって、より精度の高い診断が可能になりつつあります。

2018年に、AI(人工知能)で超音波検査の画像から、

『赤ちゃんの心臓の異常』

を検知するシステムを、昭和大学・富士通・理化学研究所が合同で開発し、2020年を目途に実用化されることになりました。

先天性心疾患は、100人に1人、毎年およそ1万人の赤ちゃんが患う、比較的頻度の高い病気ですが、これまでの超音波検査では、出生前には約6割しか見つけることができませんでした。

それがAIを用いると、96%の精度で見つけられるようになります。

心疾患は、出産後ただちに治療を開始しなければならないケースもありますので、生まれる前に発見できる確率が上がることで、より多くの赤ちゃんの命を救える可能性があります。

超音波やAIの技術は、まだまだ発展途上で、今後さらに多くの病気や異常が、出生前に超音波でわかるようになることを期待したいですね。

 

 

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)のまとめ

胎児ドックスクリーニングのまとめ

ママがお腹の中の赤ちゃんと会えるのを楽しみにしている超音波検査は、実はこのようにとても大切な出生前診断の1つなのです。

特にこの『胎児ドック(胎児スクリーニング検査)』を担当する医師は、どこか異常はないか、出産の支障になることはないかと、かなりの緊張感と責任感を持って取り組むそうですよ。

染色体異常に対してはそれほど精度は高くありませんが、赤ちゃんの形態異常については、この胎児ドック(胎児スクリーニング検査)だけが頼りです。

もし、通っている産科で、出産までのスケジュールに胎児ドックが入っていなくて、心配な場合は、医師に確認をして受診できる施設を紹介してもらうと安心ですね。

超音波スクリーニング検査 まとめ

  • 非確定的検査
  • 実施時期
    【初期】11〜13週
    【中期】18〜21週
    【後期】28〜32週
  • 対象者
    希望する妊婦
  • 対象疾患
    ダウン症、13・18トリソミー、心疾患、口唇口蓋裂、形態異常
  • 精度
    ダウン症に対して80-85%
    (ダウン症でも形態・血流・心拍に異常がない場合は、超音波検査では見つけられない)
  • 形態異常
    中期・後期はある程度わかる
  • 胎児リスク
    なし(超音波による不確定リスクを除く)
  • 母体負担
    なし(30分~1時間 お腹の上からの超音波検査)
  • 結果
    その場でわかる
  • 実施施設
    専用の機器があり、専門の訓練を受けた医師がいる病院
  • 費用
    初期・中期・後期それぞれ2~4万(保険適用外)
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